温室のヒットマン

可愛がっていた研究用コマツナが虫に食われた。これで2度目だ。温室内だし、もう寒いから虫なんて出ないだろう、という読みは見事に外れた。

しかし私だってそれほど馬鹿ではない。前回気がついたときには、対処のしようがないほど食い散らかされていたが、今回は発見が早いのだ。戦ってやる。

武器を得るために向かった先は昆虫研究室。虫愛づる彼らだが、虫を殺す薬も大量に持っているのだ。被害にあったコマツナの写真を見せたところ、今回の敵の予測をして専用の白い農薬をくれた。なんでも、それを千倍に希釈した液を散布すればいいらしい。

さっそく白い液体をほんの数百μl取って水に溶かした。牛乳のような白さが、水にすーっと溶けて消えていく。これをなめた虫はとんでもない目に遭うのだ。おなかすかせてご飯を食べたら食中毒。
うーん、ちょっとだけ虫があわれだ。